看護介護研究部会が令和7年7月26日(土)、宮崎市のJAアズム別館2階302研修室で開いた、第1回の研修会「高齢者施設における感染対策とBCP」。興梠先生の講義に続いて事例発表がありました。

最初は「感染性胃腸炎集団発生の報告」と題し、同部会委員長で介護老人保健施設東海園の坂下和代さんがマイクを握りました。
施設内における感染線胃腸炎の集団発生について、発生から収束までの状況を踏まえ、重症化予防・感染拡大防止のためにとった対策、原因分析などを説明した上で、「病院からの入所で、開設以来17年感染性胃腸炎の集団感染がなかったことで市中感染情報が出ていたにも関わらず、危機感がなかった」「入浴での標準予防策は防水・身体的負担から厳守されていなかった」など考察を加え、今後の対策として①市中感染情報の情報周知と対策検討、②新入所者への感染対策検討、③感染標準予防策・嘔吐下痢処理の厳守・・・など今後の対策をスライドに示しました。

続いて「新型コロナウイルス感染症発生から見えたもの」とのタイトルで介護老人保健施設サンヒルきよたけの岩﨑智子さんが自施設における3回のクラスター発生を通じて得られた知見を紹介しました。一連の経過を踏まえながら感染時にとった業務改善スケジュールや情報の共有手段、食事の提供方法、屋外にテントを設け居室への出入りを外から行うなどしたゾーニングなどを写真を交えて紹介すると、参加者は自施設の取組方法と比較しながら聞き入っていました。

講義やグループワーク、そして事例発表を通じ、それぞれの施設での感染対策およびBCPに向けて学びの多い、有意義な研修会となりました。看護介護研究部会ではこのような研修会を継続実施する方針であり、今回の研修を踏まえ、さらに充実し、より実践的な研修になるものと期待が持たれます。
(終わり)