
まず「講義第1部」として「COVID-19、インフルエンザ、感染性胃腸炎(ノロウイルス)を中心とした高齢者施設における感染対策」がありました。講師には高千穂町国民健康保険病院の総合医療支援部感染管理室副室長および看護部看護師長で、感染管理特定認定看護師の興梠裕樹先生をお招きしました。

高齢者施設における感染対策の考え方について、その必要性に関し根拠となる基準を示した上で、「高齢者施設の場合、利用者である高齢者は抵抗力が弱く、症状がわかりにくかったり、重症化しやすかったり、また認知機能が低下している場合があるなど、感染拡大のリスクが高い特徴があります。感染症をゼロにすることはできませんので、感染症の拡大を最小限にする方法を知りましょう」と切り出し、感染成立の3要素である「感染経路」「感染源」「感染を受けやすい人」のどれか1つでも断ち切れば感染症は成立しないという感染対策の基本的な考え方をおさらいしました。そしてそのために重要となる標準予防策について、「利用者とスタッフを感染から守る」という目的にはじまり、その具体的な内容を提示。これに加え、感染経路別の予防策として「接触予防策」「飛沫予防策」「空気予防策」について、個人防護具の使い分けなどにも言及しながら深堀りしていきました。

続いて「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」「新型インフルエンザ感染症」「ノロウイルス感染症」について、それぞれの特徴を踏まえた対策について講義が進みました。 (つづく)